深海 Blue Cha-Cha

刑務所を出所したばかりの美しい女性、アユーは鼓山フェリー乗り場からひとりフェリーに乗り込んだ。入所時に姉のように慕っていた女性アンの元を訪ねるのだ。アンは自らの経営するクラブでアユーに仕事を世話する。クラブではほの暗い照明の中、チャチャのリズムで女たちが踊っている。アユーの美しさに惹かれたクラブの客チェン。会うのはいいけど好きになってはいけないというアンのアドバイスにも関わらず、アユーはチェンに夢中になった。今夜も会いに来ると言う彼は、いつまで待っても来なかった。来ないのかと責め立てるアユー。夜、店に来たチェンにアユーが手を挙げた。アユーを庇ってチェンを怒鳴ったアンは、その夜、上客をひとり失くしてしまった。アンの世話で、アユーは工場で簡単な仕事に就くことになった。作業指導の先輩シャオハオは、美しいアユーに興味を持った。シャオハオの家に遊びに行った帰り、アユーは一緒に住んでもいいかと尋ねる。そして、恋人の家へ引っ越すことをアンに告げる。アンは2階の窓から道路に向って、無言で次々とアユーの荷物を抛り出した。アユーはいつも一緒にいたくて、シャオハオが友達と遊ぶ時も、工場で昼食を食べる時も、夕食時も、ずっと傍らにいた。そして常に彼の愛を確認するのだ。そうするうち、自分の時間が全く無くなったシャオハオは、徐々に疎ましく思い始め、ついに家を出て行ってしまうのだった。